CADを扱う場合には、既に標準装備として備わっているものもありますが、製図で必要な線の種類については事前に身につけておくほうがCADを学びやすいです。
最低限それぞれの線にどんな意味があるか理解しておきましょう。
目次
CADでは線種指定機能がある
CADで製図する場合には、外形線や寸法線などは自動で指定できるようになっており、手描きで行う時のこまかな破線の書き方、線の細さの工夫などしなくて済むため、製図にかかる時間を大幅に節約できます。
もちろんその手間が減らせる分、線を自身で設定しないといけないですが、最初に設計をして製図してしまうことで、あとは線の種類を変えるだけで実質製図が完成します。
細かな線の区別や書き換え、鎖線などを描くときにも手描きでは大変で、ミスが有った場合の修正も難しいものがあります。しかし、CADは修正も比較的簡単で、きれいな図面を作ることができます。
クライアントからの変更希望や設計段階での変更なども、すぐに導入できるのがCADの威力です。
どんな線がある?
まず最も目立つであろう線は外形線と呼ばれる太い実線です。この外形線は0.5mmで書くのが一般的で、CADを用いれば製図用のペンなどを使い分けずに簡単に線を引けます。
また、寸法線、ハッチングといわれる0.2mmから0.3mmの細い実線も設計や製図には欠かせません。これらを描きわけて、どんなものを作ろうとしているのかを明確にしていきます。
更に破線はかくれ線をいわれており、線は1.2mm、破線の間隔は0.6mmにしないといけないため、これも手書きするのは非常に難しいといわれています。
こうした線を描くのは、手描きでは難しいですが、CADでは細かな手間やミスをほとんど起こさずに書けるのも大きなメリットです。余計な手間がないぶん、精密な設計や製図に力を割くことができます。
引出線や中心線もある
図面に用いられる線には外形線や寸法線、かくれ線以外にも、中心線や引出線と言うようなものもあります。これらを組み合わせ、長さも合わせて記載するため、分かりやすく、より正確に記載するのはとても大切です。
CADの使用によって、最も多く発生する人為的ミスを最小限に抑えられるため、利便性や正確さが向上します。
手書きの場合にはちょっとしたクセや色の濃さなどで見にくくなることもありますが、CADは線の太さなどの書き方にテクニックは必要なく、初心者でもある程度分かりやすい線を書ける魅力もあります。
CADは製図や設計に関する従来のトラブルや問題をシンプルにして、より見やすい図面を作るという役目があるため、CADスキルをしっかり身につけ、多くの人にとって分かりやすい製図ができるようにしましょう。